シリーズまつのやま学園の学び 部活動
- 公開日
- 2025/11/18
- 更新日
- 2025/11/18
学園長ブログ
ー 第1回 まつのやま学園の取組と、部活動改革の背景 ー
本学園では、子どもたちが自分の興味や得意を伸ばせるよう、スポーツ・文化・自然科学分野などの多様な部活動を展開しています。今日からシリーズで、本学園の部活動の特徴と、今後の部活動のあり方についてお伝えしていきます。初回は、本学園の取組と、全国で進む部活動改革についてご紹介します。
■ まつのやま学園の取組と現在の課題
入部は、5年生から9年生(中3)が対象です。小学部の5・6年生は希望入部制、中学部は原則全員入部制としています。令和元年、まつのやま学園は「部活動の地域移行(展開)」を見据え、従来の枠にとらわれない新しい部活動の形へと踏み出しました。地域と学校が互いに支え合い、より子どもたちの学びに資する部活動をつくることを目標に、設置部の見直しや活動内容の再構成を行いました。その結果、スポーツ部、文化部、自然科学部、アウトドア部、特設部(スキー:アルペン・クロスカントリー・ジャンプ、駅伝)が、誕生しました。私たちが大切にしたのは、「子どもの多様なニーズに応えられる、多彩で魅力的な部活動」をつくることです。しかし、教員の働き方改革は避けて通れない道であり、「教員が子どもとしっかり向き合う時間を確保する」という観点からも、顧問の負担軽減は喫緊の課題となっています。
■ これからの運動部活動(スポーツ)
これまで日本の子どものスポーツは、学校の運動部活動が中心として支えてきました。安全に活動でき、費用が少なくて済むという利点がある一方で、教員の負担増や、勝利至上主義などの課題も明らかになっています。また、公共スポーツ施設が多くない地域において、学校の体育施設は住民にとっても貴重なスポーツ環境です。こうした状況を踏まえ、国は現在 「部活動の地域展開」 を進めています。十日町市でも国の方針に沿い、令和8年夏を目途に、休日の部活動は、地域へ移行 します。地域の指導者やスポーツ団体と協働して部活動を運営することで、@子どもの多様なニーズ、学びに応える @教員の負担を無理なく軽減できる @専門的な指導を受けられる可能性が広がる @子どもが多様な大人と関わり、地域に育まれる といった利点が期待されています。スポーツは、体を鍛えるだけでなく、人を思いやる心や、挑戦する力を育てる場でもあります。これからは、学校と地域が共に子どもを支える仕組みづくりがますます大切になります。
■ 学習指導要領における部活動の位置づけ
部活動は「教育課程外の教育活動」とされていますが、学校の教育目標を補完する重要な学びの機会として位置づけられています。活動の適切な運営は学校の責任であり、教員の指導は職務として扱われます。一方で、@教育課程外なのに教育活動 @勤務時間外でも教員の職務 といった制度上の曖昧さも残されています。法制度の整備が追いつかず、学校現場には課題が生じています。
※ 写真は、本学園の特色ある部活動 「自然科学部」と「アウトドア部」